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臨床研究部の概要

臨床研究部の概要

設置年度 : 平成元年

組織 : 疫学研究室,治験管理室,病理学研究室,司法精神医学研究室,生理学研究室

部員数 : 専任1人,併任10 人

臨床研究・研修の特徴

1)認知症に対する高度医療

2)医療関係者などを対象とした研修(認知症高齢者介護)

3)医療観察法病棟における精神医療

独立行政法人国立病院機構 菊池病院は精神科主体の病院であり,院内の研究部員は臨床研究部長を含め,すべて精神・神経疾患の診療に従事している。すなわち臨床研究部の活動と診療活動は強く結びついている。研究テーマを疾患別に分ければ,認知症,司法精神医学慢性精神疾患に対するリハビリテーションに大別される。これらの疾患に対する高度医療は当院の診療上の特徴である。また受託研究はこの二つが主な対象となっている。慢性精神疾患のリハビリテーションに関する研究は実際の臨床での患者を対象としている。

これまでの研究活動

初代院長の室伏君士は認知症ケアの草分けであり、当時より当院は認知症の早期診断、ケア、介護の研究を積み重ね、その結果明らかにした「なじみの人間関係」「説得より納得」などの基本原則は認知症ケアに携わる医療関係者に浸透した。昭和63年から認知症高齢者対策研修を実施し、西日本地区における基幹病院としての役割を果たしてきた。現院長の木村、臨床研究部長の本田、塩沢は軽度認知障害 (MCI) や早期認知症の診断の確立を目指して研究を続け(*参照)、MCIグループの追跡研究も行っている。また、塩沢は前頭葉機能障害に対する認知リハビリテーションを試み、成果を挙げている。「もの忘れ外来」は5年前に開設され、25年度の年間新来患者数は500名にのぼる。

*1.ドイツで認知症スクリーニングに使用されているDemTect日本語版を作製した。DemTectは、即時再生、数字変換、言語流暢性、数字逆唱、遅延再生から構成され、健常者から初期認知症までを細かく評価できる検査である。ただし、遅延再生は10語と難解であり、検査後の被検者の達成感はなく、かえって不安感をあおるため、検査前の十分な説明が必要である。
*2.PetersenらのグループのSTMS作製者であるKnopmanにSTMSの日本語翻訳の許可を得て、STMS-Jを作製した。現在、19年度政策医療ネットワーク共同研究により、軽度認知障害の診断におけるSTMS-Jの有用性を確認した。
*3.MCIのスクリーニングために、@4つの数字の逆唱、A日付・曜日の見当識、B4つの言葉の遅延再生などを課題とした50 seconds screeningを作製した。MCI・認知症グループと健常者グループを鑑別する上で、感度は93.5%、特異度は93.1%前後であった。


主要研究課題

1) 前頭側頭葉変性症(FTLD)の行動障害に対する薬物療法の開発

FTLDでは、常同行動、食行動障害、逸脱行動などの行動障害のために、介護負担は他の認知症疾患と比較して極めて高い。この行動障害を軽減するために、従来より抗精神病薬が使われてきたが、その副作用が患者のADL、QOLを著しく低下させていた。我々は、FTLDの行動障害に対する抑肝散、ラベンダーアロマセラピー、フェルラ酸・ガーデンアンゼリカ抽出物などの有用性を検証する。

2)軽度認知症障害(MCI)の進行予防に対するフェルラ酸・ガーデンアンゼリカ抽出物の効果

MCIはアルツハイマー症(AD)の前駆状態であり、1年に10数%がADに移行する。現在のところ、この移行を抑制する治療法は開発されていない。我々はフェルラ酸・ガーデンアンゼリカ抽出物に着目し、その効果を検討している。

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